はじめに
PlayStation 3(PS3)は発売から長い年月が経過したハードウェアですが、現在でもカスタムファームウェア(CFW)を導入することで、メディアプレーヤーや自作ソフトの実行など、さまざまな用途に活用できます。
本記事では、公式ファームウェア(OFW)4.93 環境に対応した「PS3 Flash Writer」を使用した CFW 導入方法を、初心者の方にも分かりやすく解説します。安全に作業を進めるための注意点も含めて丁寧に説明しますので、ぜひ最後までご覧ください。
PS3 の CFW とは?
CFW(Custom Firmware)とは、ソニー公式のシステムソフトウェア(OFW)に改造を施し、本来制限されている機能を開放したシステムのことです。
CFW でできることの例:
- 自作ソフト(Homebrew)の実行
- ゲームデータのバックアップ起動
- エミュレータを使用したレトロゲームのプレイ
- ファン速度の制御やシステムステータスの監視
【重要】オンライン利用のリスク: CFW 導入済みの本体で PlayStation Network(PSN)に接続すると、アカウントや本体が永久停止(BAN)されるリスクがあります。オンライン機能の使用は避け、オフラインでの利用を前提としてください。
対応機種の確認(非常に重要)
PS3 は、すべてのモデルで CFW が導入できるわけではありません。間違ったモデルに書き込みを行うと、本体が二度と起動しなくなる(ブリックする)ため、必ず事前に確認してください。
- CFW 導入可能モデル:
- 初期型(CECHAxx ~ CECHGxx)
- 薄型の一部(CECH-20xx / 21xx / 25xx の一部)
- CFW 非対応モデル(HEN の検討が必要):
- 薄型の一部(CECH-30xx 以降)
- スーパースリム型(CECH-40xx シリーズ)
[注意] 自分の本体が対応しているか判別するには「MinVerChk(最小バージョン確認ツール)」を使用します。詳細はこちらの別記事を参照してください。
事前準備
1. 必要なもの
- PS3 本体(CFW 対応モデルであること)
- USB メモリ(FAT32 形式でフォーマット済みのもの)
- Windows PC
- インターネット接続環境
2. 必要なファイルのダウンロード
あらかじめ以下のファイルを PC に用意しておきます。
- OFW 4.93:PlayStation 公式サイト
- HFW 4.93.1:PSX-Place
- CFW(Evilnat 4.93):Brewology
- PyPS3tools(ダンプ確認用):GitHub
CFW 導入までの全体フロー
- OFW 4.93 へのアップデート
- HFW 4.93.1 のインストール
- PS3 本体の設定(時刻とブラウザ)
- Flash Writer による Flash メモリのダンプと検証
- Flash メモリの書き換え(パッチ適用)
- CFW (Evilnat) のインストール
手順①:OFW 4.93 へのアップデート
まずは公式の最新バージョンにアップデートします。
- USB メモリのルートに
PS3フォルダを作成し、その中にUPDATEフォルダを作成します。 - ダウンロードした OFW のファイル名を
PS3UPDAT.PUPに変更し、上記フォルダに配置します。- パス:
/PS3/UPDATE/PS3UPDAT.PUP
- パス:
- PS3 に挿入し、[設定] > [システムアップデート] > [記録メディアからアップデート] を実行します。
手順②:HFW 4.93.1 のインストール
Flash Writer を動作させるための脆弱性を含む「ハイブリッドファームウェア(HFW)」をインストールします。
- 手順①と同様のフォルダ構成(
/PS3/UPDATE/PS3UPDAT.PUP)で HFW を USB メモリに配置します。 - PS3 でアップデートを実行します。
手順③:本体設定の調整
Flash Writer の動作を安定させるために必要な設定です。
- 日付と時刻の設定: [設定] > [日付と時刻の設定] から、インターネット経由で正確な時刻を設定してください。
- ブラウザの準備: PS3 のインターネットブラウザを開き、△ボタンのメニューから以下の設定を行います。
- [ツール] > [Cookie受信を許可する] を [入] にする。
- [ツール] > [JavaScript] を [入] にする。
- [ツール] > [ホームページ] を [白紙を表示する] に変更し、一旦ブラウザを閉じます。
手順④:Flash Writer の実行とダンプ検証
ここからが改造の本番です。慎重に進めてください。
- サイトへのアクセス: 再度ブラウザを開き、START ボタンで以下の URL を入力します。
https://ps3addict.github.io/writer/index.html - ダンプの実行:
- 画面の「Click here to Continue」を選択。

- 自分の PS3 のメモリタイプ(NOR または NAND)を選択します。

- 「Dump Flash memory」を実行します。完了すると USB メモリに
dump.hexが保存されます。
- 画面の「Click here to Continue」を選択。
- PC での検証(最重要): このダンプファイルが壊れていると、次の工程でブリックします。必ず PC で確認してください。
- PC で
PyPS3tools-master.zipを解凍します。 PyPS3checkerフォルダの中へ、USB メモリからコピーしたdump.hexを配置します。drag&drop_your_dump_here.batファイルへdump.hexを直接ドラッグ&ドロップします。- 結果の確認: ログの最後に 「Dangers: 0」 と表示されれば成功です。
※もしエラー(Dangers が 1 以上)が出た場合は、再度ブラウザでダンプをやり直してください。
- PC で
手順⑤:Flash メモリのパッチ適用
検証済みのダンプが取れたら、CFW を受け入れるためのパッチを書き込みます。
- PS3 ブラウザの Flash Writer 画面で、今度は「Write to Flash memory」を選択します。
- 警告: この工程が最も危険です。絶対に電源を切らないでください。
- 完了のメッセージが表示されたら、PS3 を再起動します。
手順⑥:CFW (Evilnat) のインストール
最後に、カスタムファームウェア本体をインストールします。
- USB メモリの
/PS3/UPDATE/PS3UPDAT.PUPを、用意しておいた Evilnat 4.93 のファイルに差し替えます。 - PS3 の [設定] > [システムアップデート] > [記録メディアからアップデート] を実行します。
- インストール完了後、再起動して「Evilnat」のロゴが表示されれば導入成功です!
おわりに
今回は PS3 Flash Writer を使用した、OFW 4.93 対応の CFW 導入手順を解説しました。 CFW を導入することで、PS3 は現在でも非常に高い拡張性を持つゲーム機として生まれ変わります。
最後にお願い: 作業には常にリスクが伴います。この記事の手順を参考に、必ず自己責任で挑戦してください。万が一、作業中に不明な点が出てきた場合は、無理に進めず一度立ち止まって確認することをお勧めします。

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