- はじめに
- Luma3DS v13.5の概要
- Luma3DS v13.5の主なアップデート内容
- Luma3DS v13.5へのアップデート方法
- アップデート時の注意点
- おわりに
はじめに
Nintendo 3DSシリーズ向けの定番カスタムファームウェア(CFW)である「Luma3DS」が、最新バージョンとなるv13.5へアップデートされました。
今回のアップデートでは、オーバーレイメニュー「Rosalina」の機能が大幅に拡充され、画面のRGB個別カラー調整や音声出力先の切り替え、左右の音量バランス、本体LEDの輝度などをこれまで以上に細かくカスタマイズできるようになっています。
さらに、IPS・BPS・UPSパッチの処理改善や、Homebrewの自動起動(Autoboot)方式の変更、LayeredFSおよびプラグインローダーの不具合修正など、内部処理に関する重要な改善も多数盛り込まれました。
この記事では、Luma3DS v13.5の主な変更点や新機能をカテゴリごとに整理し、アップデート方法や事前に押さえておきたい注意点について詳しく解説します。
Luma3DS v13.5の概要
Luma3DSとは?

Luma3DSは、すべてのNintendo 3DSシリーズ(New 3DS / New 2DS / 旧3DS / 旧2DS)に対応したオープンソースのカスタムファームウェア(CFW)です。
本体のシステムソフトウェアの一部を改変・再実装することで、自作ソフト(Homebrewアプリ)の起動やゲームのMOD適用(LayeredFS)、外部コントローラーからの入力リダイレクト、チートコードの使用など、標準環境にはない多彩な機能を利用できるようになります。
また、Luma3DSには「Rosalina(ロゼッタ)」と呼ばれる独自のオーバーレイメニューが搭載されており、ゲームプレイ中であってもボタンコンボ(デフォルトでは L + ↓ + Select)からいつでも呼び出して、スクリーンショットの撮影や画面フィルターの変更、各種システム設定などをリアルタイムに操作できます。
v13.5のリリース情報
Luma3DS v13.5の基本情報は以下のとおりです。
| 項目 | 内容 |
| バージョン | v13.5 |
| 公開日 | 2026年11月2日 |
| 対応機種 | Nintendo 3DSシリーズ全機種 |
| 必要なCFW環境 | boot9strap(B9S)導入済み環境 |
| 主な更新内容 | Rosalinaの機能拡充、パッチ処理改善、Homebrew自動起動の改善、各種バグ修正など |
今回のv13.5について開発チームは、「数多くの利便性向上(QoL改善)を実施するとともに、今後のアップデートに向けた基盤を整えるリリースである」と説明しています。
- 公式GitHub:Github – LumaTeam/Luma3DS
Luma3DS v13.5の主なアップデート内容
今回のアップデートでは、特にRosalinaメニューから直接変更・自動保存できる設定項目が大きく充実しています。ここからは、公式リリースノートに記載されている変更点を順番に詳しく紹介します。
1. Rosalinaの画面フィルター機能を強化
Rosalinaの「Screen Filters(画面フィルター)」機能が大幅に改善され、新たにRGB(赤・緑・青)各チャンネルを個別に調整できるようになりました。
主な変更点は以下のとおりです。
- 赤・緑・青(RGB)それぞれのガンマ値を個別に調整可能
- RGB各チャンネルのコントラストを個別に調整可能
- 「Enhance top/bottom screen colors(上下画面の色強調)」設定を新規追加
- ガンマ計算の連続性改善(0の0乗を0と定義し、画面全体が真っ白に飛ぶ現象を防止)
- カラー補正処理(LUT生成)の大幅な高速化とVBlank同期
特に注目したいのが、RGBチャンネルごとのガンマ値とコントラスト調整への対応です。3DSの液晶パネル(IPS液晶・TN液晶)の個体差による色温度のばらつきや経年変化による黄ばみを抑えたり、自分好みの発色にキャリブレーションしたりといった微調整が従来よりもはるかに細かく行えます。
また、新たに追加された「Enhance top/bottom screen colors」を有効にすることで、上下画面の発色をより鮮やかに強調することも可能です。
カラー補正処理の高速化と仕様変更
画面フィルターの内部処理も大幅に最適化されています。公式リリースノートによると、カラー補正用LUT(Look-Up Table)の生成処理にかかる時間が、従来の約700マイクロ秒(µs)から約75マイクロ秒へと約10分の1に短縮されました。
さらに、LUTの書き込みタイミングをVBlank(垂直帰線期間)に同期させることで、設定変更時や画面表示時のグラフィックの乱れ(グリッチ)を防止しています。
なお、従来の高度な画面フィルター設定(Advanced settings)に存在していた「brightness(明るさ)」調整項目は、この最適化処理の妨げになるためv13.5で削除されています。
2. 音声出力設定を拡充
Rosalinaの「System configuration(システム設定)」メニューも刷新・拡張されました。新たに「Set audio routing…(音声出力ルーティング設定)」が追加され、音声の出力先を以下の3種類から手動で指定できるようになっています。
| 設定項目 | 動作内容 |
| Automatic | 自動設定(イヤホン挿抜に応じて自動で切り替わる標準動作) |
| Force speakers | イヤホン接続時でも本体スピーカーから強制的に音声を出力 |
| Force headphones | ヘッドホン・イヤホン側へ強制的に音声を出力 |
3DS本体のイヤホンジャックの接触不良で音声が切り替わらない場合や、外部スピーカー・キャプチャー環境へ接続している際に手動で出力先を固定したい場面で非常に重宝する機能です。
左右の音量バランス調整にも対応
従来の「Control volume」設定は、UIの刷新とともに「Set volume slider override…(音量スライダーの上書き設定)」へ変更されました。
この機能では、物理音量スライダーの上書き設定に加えて、新たに左右のステレオ音量バランス(Left / Right)を調整できるようになっています。ただし、左右の音量バランス調整には以下の仕様上の制限があります。
- 音量スライダーの上書き設定(Override)が有効になっている場合のみ適用される
- 調整対象は通常の音声出力(I2S1)のみ
- システムアプレット等で使用される音声(I2S2)には適用されない
そのため、3DS上で鳴るすべてのサウンドに対して左右バランスが反映されるわけではない点には留意してください。
3. 本体LEDの輝度調整に対応
本体の通知・電源LEDに関する設定項目も進化しました。従来のオン・オフを切り替えるだけだった「Toggle LEDs」が廃止され、新たに「Set LED master brightness override…(LEDマスター輝度の上書き設定)」に置き換えられています。
新しい設定では、LEDの輝度を0%から100%まで細かく調整可能です。夜間や暗い部屋でゲームをプレイする際など、本体のLEDが眩しくて気になる場合に明るさを抑えることができます。
ただし、安全面やハードウェア仕様の都合上、すべてのLEDが完全に消灯・調光できるわけではありません。
LED設定に関する注意点
- 赤色のPOWER LED(電源LED)は調光(輝度調整)の対象外
- オレンジ色の充電LEDも調光の対象外
- 輝度を0%に設定しても、バッテリー残量低下を知らせる赤色のPOWER LEDは安全のため意図的に点灯する仕様
- 輝度を0%に設定した場合、スリープ中も赤色POWER LEDと充電LEDを除くすべてのLEDが消灯状態に保たれる
- 輝度が0%以外に設定されている場合、スリープ中は通常どおりのブリージング(呼吸)パターン(輝度4%と100%をゆっくり交互に切り替える点滅動作)が使用される
バッテリー切れによるデータ消失を防ぐため、低バッテリー時の赤色LEDだけは0%設定でも点灯する設計になっている点を覚えておきましょう。
4. バッテリー温度の華氏(°F)表示に対応
Rosalinaメニューで確認できるバッテリー温度について、従来の摂氏(℃)表示に加えて華氏(°F)での表示にも新しく対応しました。
設定を切り替えることで、摂氏・華氏のどちらでもバッテリー温度を確認できます。日本では摂氏(℃)が一般的ですが、海外のフォーラムやトラブルシューティング情報と数値を照らし合わせる際や、普段から華氏を使用しているユーザーにとって便利な追加機能です。
5. Rosalinaメニューに現在の日付と時刻を表示
Rosalinaメニューの画面右上に、現在の日付と時刻が表示されるようになりました。
なお、画面右上にネットワークのIPアドレスが表示されている状態では、スペースの都合上、日付と時刻は表示されません。IPアドレスを表示していない通常時に、ゲームを中断することなくRosalina上からサッと現在日時を確認できるようになっています。
6. IPS・BPS・UPSパッチの処理を大幅に改善
今回のアップデートでは、ゲームやシステムモジュール(sysmodule)に対するローダーのパッチ適用処理も大幅に強化されました。
最大のトピックは、これまで対応していたIPS形式・BPS形式に加えて、新たに「UPS形式」のパッチに対応したことです。
| パッチ形式 | 配置ファイル名 | v13.5での対応状況 |
| IPS | code.ips | 対応(読み込み速度の大幅な高速化・仕様改善) |
| BPS | code.bps | 対応(システムモジュール適用時のメモリ不具合を修正) |
| UPS | code.ups | 新規対応(※現時点ではCRCチェックは省略) |
UPSパッチを使用する場合は、他の形式と同様に所定のフォルダへ code.ups というファイル名で配置することで読み込まれます。ただし、現時点(v13.5)ではUPSパッチ適用時のCRCチェックがスキップされる仕様となっているため、パッチ対象のベースROMやバージョンが一致しているか事前に確認して利用する必要があります。
IPSパッチの読み込みを劇的に高速化
IPSパッチの読み込みアルゴリズムも抜本的に見直されました。特に、小さな変更レコードが大量に含まれる大型のIPSパッチにおいて劇的な効果を発揮し、公式リリースノートでは「従来は読み込みに数分かかっていた処理が、50ミリ秒(0.05秒)未満で完了するケースもある」と説明されています。
あわせて、IPS形式における以下の細かな仕様の取り扱いも改善されました。
- ファイルサイズが変更(拡張)される場合の処理
- ゼロ埋めされたギャップ領域(Zero-filled gaps)の処理
- EOFマーカーの後ろに配置されるオプションのサイズ指定フィールド(切り詰め処理)の取り扱い
複数パッチの併用とBPSパッチの不具合修正
BPS・IPS・UPSの各パッチを適用した際、変更後のコードサイズが次のパッチ処理へ正しく引き継がれるようになり、複数形式のパッチを組み合わせて同時に適用できるようになりました。ただし、複数のパッチを適用する際の処理順序は仕様として定められていないため、特定の順番で適用されることを前提としたパッチ運用は避けてください。
また、システムモジュール(sysmodule)に対してBPSパッチを適用した際、過剰な一時メモリ確保が原因でパッチ適用に失敗していた不具合も修正され、信頼性が大きく向上しています。
7. Homebrewの自動起動(Autoboot)方式を改善
起動時に特定の3DS向けHomebrew等を自動で立ち上げる「自動起動(Autoboot)」機能についても、内部の起動メカニズムが変更されました。
従来は設定されたタイトルをNS(Nintendo Shell)経由で直接起動していましたが、v13.5からはデフォルトで「HOMEメニューの再起動機構」を利用する方式に変更されています。この変更により、以下の問題が解消されました。
- 標準とは異なるアプリケーションメモリレイアウト(拡張メモリモード等)を使用した場合に発生していた、HOMEボタンおよびPOWERボタン関連の不具合を修正
- 自動起動に指定したタイトルが見つからない(削除された等)場合に、エラーで止まらず通常どおりHOMEメニューへ起動できるよう改善
従来の起動方式に戻すことも可能
もし何らかの理由で従来の「NS経由で直接起動する方式」を使用したい場合は、SDカード内の /luma/config.ini に以下の記述を追加することで従来の挙動に戻すことができます。
autoboot_3ds_use_ns = 1
ただし、特別な理由がない限りはv13.5のデフォルト設定のまま利用するのがおすすめです。
拡張メモリモード(Dev1など)に関する注意点
今回の起動方式変更に伴い、Homebrew開発者や特殊なメモリモードを利用するユーザー向けの注意点があります。
古いバージョンの開発ライブラリ「libctru」にはバグが存在するため、Dev1などアプリケーションにより多くのRAM(メモリ)を割り当てるモードを使用する場合は、libctru v2.7.1以降でHomebrewアプリを再ビルドする必要があります。
なお、Luma3DS v13.5のリリースアーカイブに同梱されている「Homebrew Menu(boot.3dsx)」はすでに互換性のある最新バージョンでビルド済みです。そのため、リリースアーカイブに含まれる boot.3dsx をそのまま上書きして使用する一般ユーザーであれば、この問題を心配する必要はありません。
8. LayeredFSの不具合を修正
ゲームのロムファイル(RomFS)をSDカード上のファイルに差し替えて読み込ませる機能「LayeredFS」についても、重要な不具合修正と改善が行われています。
fsUnmountArchiveシンボルを含まないゲームのパッチ修正:ゲームプログラム内にfsUnmountArchiveというシンボルが存在しないタイトルにおいて、LayeredFSのパッチ処理が正常に行われない問題が修正されました。公式リリースノートでは、対象となる具体例として『メトロイド サムスリターンズ(Metroid: Samus Returns)』が挙げられています。- 更新データのマウントポイント検出を改善:ゲームの更新データ(アップデートパッチ)に対するRomFSマウントポイントの検出精度も改善されています。
翻訳パッチやMODなど、LayeredFSを利用したファイル差し替えを行っているユーザーにとって非常に恩恵の大きい修正です。
9. プラグインローダーの不具合を修正
3GXプラグインなどを読み込むプラグインローダー(Plugin loader)において、プロセス終了時のクリーンアップ処理に関する不具合が修正されました。
従来のバージョンでは、ゲームなどのプロセスが終了した際にプラグインのメモリマッピングが適切に解放されず、メモリ上に残ってしまうケースがありました。この問題が発生すると、次に起動しようとしたアプリケーションが立ち上がらなくなる原因となっていましたが、v13.5で解消されています。
10. 証明書ファイル(cacert.pem)を更新
今回のリリースアーカイブには、更新されたルート証明書バンドル cacert.pem が同梱されています。
このファイルは、内部で「cURL」ライブラリを使用してHTTPS通信を行うHomebrewアプリが参照する証明書データです。v13.5では、セキュリティ上の問題が確認された「eMudhra」および「Sectigo」の証明書が除外された安全なバージョンに更新されています。
11. スクリーンショットやその他の細かな改善・安定性向上
上記のほかにも、使いやすさや表示品質を高める細かな修正が多数実施されています。
- 800pxモード時のスクリーンショット出力改善:高解像度な800pxモード(上画面の立体視オフ・ワイドドット表示モード)でスクリーンショットを撮影した際、従来の横長に潰れた「800×240」ではなく、Y軸を整数スケーリング(2倍)した正しいアスペクト比の「800×480」で画像が保存されるようになりました。
- Wi-Fi強制接続メニューの改善:Rosalinaの「Force wifi connection」メニューにおいて、接続先のSSID名が表示されるようになりました。
- ベアメタル画面初期化の不具合修正:Arm9ペイロード起動時などに、ベアメタルの画面初期化処理(screeninit)で上下画面が真っ白になったり色が狂ったりする不具合が修正されました。
- 不要なDSi関連オプションの整理:機能していなかった「Allow Left+Right / Up+Down combos for DSi」オプションが削除され、「Enable custom upscaling filters for DSi」オプションが非表示化されました。
- システム全体の安定性向上:その他、内部処理の最適化やシステム全体の安定性を高める細かな調整が行われています。
Luma3DS v13.5へのアップデート方法
Luma3DSのアップデート方法については、こちらの記事を参照してください。
アップデート時の注意点
Luma3DS v13.5へ更新するにあたり、あらかじめ知っておきたい仕様変更や注意点を3つにまとめました。
1. config.iniからMCUレジスタへの設定移行と自動保存
v13.5では、一部の設定項目がSDカード上の config.ini から本体内部の未使用MCUレジスタへ移動しました。これには以下の設定が含まれます。
- 画面フィルターの「Enhance top/bottom screen colors」
- 音声出力の切り替え(Audio routing)
- 音量スライダーの上書きと左右バランス(Volume slider override)
- LEDマスター輝度の上書き(LED master brightness override)
- バッテリー温度の摂氏・華氏切り替え
これらの項目はRosalinaメニューから直接変更でき、変更すると自動的に保存されます。従来のように設定ファイルをテキストエディタで直接編集したり、手動で「Save settings」を実行したりする必要はありません。
2. UPSパッチのCRCチェック省略
新たに code.ups によるUPSパッチの適用に対応しましたが、v13.5時点ではCRC(巡回冗長検査)チェックが省略されています。誤ったバージョンのゲームにパッチを適用してもエラーとして弾かれないため、UPSパッチを利用する際は対象タイトルのバージョンやリージョンが合致しているか自身で確認しましょう。
3. 複数パッチ併用時の適用順序
IPS・BPS・UPS形式のパッチを組み合わせて同時に適用できるようになりましたが、どの形式のパッチが先に適用されるかという順序は保証されていません。同じアドレス領域を書き換えるなど、特定の適用順序に依存するパッチ構成は予期せぬ不具合を招くため避けてください。
おわりに
今回は、Nintendo 3DS向けカスタムファームウェア「Luma3DS v13.5」のアップデート内容を詳しく紹介しました。
v13.5では、RosalinaメニューにおけるRGB個別の画面フィルター調整や音声出力先の固定、左右のステレオバランス、本体LEDの輝度調整などが大幅に強化され、プレイ環境に合わせて3DS本体をより細かくカスタマイズできるようになりました。
また、UPSパッチへの新規対応やIPSパッチの劇的な読み込み高速化、Homebrew自動起動の改善、さらには『メトロイド サムスリターンズ』などを含むLayeredFSの互換性向上やプラグインローダーのメモリ解放修正など、実用面での改善も非常に充実しています。
普段からLuma3DSを利用している方は、ぜひ最新のv13.5へアップデートして快適になった機能を試してみてください。

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