はじめに
PS Vitaは携帯機として優れたゲーム体験を提供しますが、「PCの大画面でプレイしたい」「録画・配信に使いたい」と思う場面も多いのではないでしょうか。
しかし、PS Vitaは公式では映像出力機能を備えていないため、そのままではPCへ画面を映すことができません。
そこで本記事では、CFW(カスタムファームウェア)導入済みのPS Vitaで利用できる「vita-udcd-uvc」プラグインを使ったPC出力方法を紹介します。
物理的な改造やキャプチャーボードは不要、ソフトウェアだけで映像をUSB転送できます。もっとも簡単で費用のかからない方法です。
Vitaの画面をPCへ出力できるプラグイン「vita-udcd-uvc」とは?
CFW環境のPS Vitaでは、vita-udcd-uvc(PSVita USB Display Class Driver / USB Video Class)というプラグインを導入することで、USBケーブル経由でPC上にVitaの画面を表示できます。
vita-udcd-uvc の特徴
- USB経由でVita画面をリアルタイム転送
- キャプチャーボードが不要
- 遅延は比較的小さい
- Windows / Mac / Linux で利用可能
- OBSなどの配信・録画ソフトと併用できる
- 導入手順がシンプル
現状、最もコストがかからず、実用性が高いVita画面出力方法と言えます。
画質・遅延の目安
- 解像度:960×544(Vitaネイティブ)
- フレームレート:30fps前後
- 遅延:0.1〜0.2秒程度(環境により変動)
配信や録画には十分ですが、高速アクションゲームでの完全無遅延プレイは難しい場合があります。
事前準備(必要なもの)
- CFW導入済みのPS Vita(HENkaku / Ensō など)
- USBケーブル(充電・データ転送対応のもの)
- PC(Windows / Mac / Linux)
- AutoPlugin II
- インターネット接続(プラグイン取得のため)
「vita-udcd-uvc」プラグインの導入手順(AutoPlugin II 使用)
ここでは AutoPlugin II を利用した最も簡単な導入方法を紹介します。
AutoPlugin IIの導入方法についてはこちらの記事を参照してください。
- AutoPlugin II を起動
- メニューから
「PSVita用プラグイン」 → 「プラグインをインストール」 を選択 - 一覧より 「udcd_uvc by xerpi」 を選び、○ボタンで決定
- 自動でダウンロード → インストールが実行
- インストール完了後、Vitaを再起動
- 再起動後、プラグインが有効化されます。
PC側でVita画面を表示する方法(Windows)
プラグイン有効化後、VitaをUSBで接続するとPC側で「USBビデオデバイス」として認識されます。
ここでは Windows を例に説明します。
- VitaをUSBでPCに接続
- 自動的に「PS Vita」などの名前でUSBカメラとして認識
- カメラアプリ / MPC-BE / VLC / OBS を開く
- デバイス一覧から 「PSVita」 を選択
例えば、MPC-BEでは「ファイル」→「デバイスを開く」を選択することで、以下のようにPS Vitaの画面が表示されます。

よくあるトラブルと対処
映像が映らない
- PS Vita と PC の両方を再起動する
- USBポートを変更する
- ケーブルが「充電専用」でないか確認する
- 他のUSB関連プラグインと競合していないか確認する
音声が出ない
vita-udcd-uvc は 映像のみ転送します。
音声が必要な場合は次のいずれかを利用してください。
- PS Vita本体のイヤホンジャック → PCライン入力
- Bluetoothスピーカー
- 外部マイクで音だけ別録りする
おわりに
CFW環境のPS Vitaと「vita-udcd-uvc」プラグインを組み合わせることで、キャプチャーボードなしでPCへ高品質に画面を出力できます。
遅延も少なく、録画・配信・攻略用の映像出力として非常に実用的です。
PS Vitaでゲーム実況をしたい方、大きな画面でプレイしたい方には、ぜひ試していただきたい方法です。
今後もPS Vita関連の便利情報やツール紹介を発信していきます。

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