はじめに
PS VitaでPSPタイトルをプレイできる自作アプリ「Adrenaline」は、公式エミュレーターをベースにしているため、画質やフレームレートに制限があります。
しかし、プラグイン「GePatch」を導入することで、PSPゲームをVita本体のネイティブ解像度(960×544)で動作させることが可能になり、グラフィックを大幅に向上させることができます。
本記事では、GePatchの導入方法と基本的な使い方をわかりやすく解説します。
GePatchとは?
GePatchは、PS Vita上のAdrenalineで動作するPSPゲームを高解像度で描画できるようにするプラグインです。
通常、PSPの解像度は480×272ですが、GePatchを使用することでVitaのネイティブ解像度(960×544)に拡大・最適化され、より滑らかでシャープなグラフィックでプレイできます。
特に『モンスターハンターポータブル』シリーズや『Persona』など、グラフィックの恩恵が大きいタイトルでは、まるでHDリマスター版のような印象を受けるほど効果的です。
導入に必要なもの
- CFW(カスタムファームウェア)が導入された PS Vita / PS TV
- Adrenaline がインストール済みであること
- VitaShell などのファイルマネージャー
- GePatchプラグイン本体(GitHubにて配布)
GePatchの入手方法
- 以下の公式GitHubページにアクセスします。
🔗 https://github.com/TheOfficialFloW/GePatch - ページ内の「ge_patch.prx」ファイルをダウンロードします。
最新版はリリースページから取得するのが安全です。
導入手順
- VitaShellを起動し、PS VitaをUSBまたはFTPでPCに接続します。
- ダウンロードした「
ge_patch.prx」を、以下のディレクトリにコピーします。ux0:pspemu/seplugins/
※フォルダが存在しない場合は手動で作成してください。 - 次に、「
game.txt」を編集または新規作成します。
ファイルの内容を以下のように設定します。ms0:/seplugins/ge_patch.prx1
これにより、PSPゲーム起動時にGePatchが自動的に有効になります。 - 設定を保存したらVitaShellを終了し、Adrenalineを起動します。
- 任意のPSPタイトルを起動し、解像度が向上しているかを確認してください。
動作確認と注意点
- 一部のタイトルでは、描画バグやUIの崩れが発生することがあります。
- その場合は、「
game.txt」内の行末にある「1」を「0」に変更し、GePatchを無効化してください。 - プラグインのバージョンやゲームによっては挙動が異なるため、以下のスプレッドシートで動作確認済みタイトルを参照するのがおすすめです。
🔗 GePatch Compatibility List(Googleスプレッドシート)
画質比較(導入前後)
| 状態 | 解像度 | 備考 |
|---|---|---|
| 通常 | 480×272 | PSP標準解像度 |
| 960×544 | Vitaネイティブ解像度で描画。輪郭がよりシャープに |
特にドット絵タイトルや3Dグラフィック作品では、背景や文字のにじみが軽減され、非常にクリアになります。
下記は比較イメージ(例)です。


おわりに
「GePatch」は、Adrenaline環境をさらに進化させる強力なプラグインです。
導入も簡単で、対応タイトルではグラフィックが劇的に向上します。
AdrenalineでPSPタイトルを頻繁にプレイしている方は、ぜひ導入を検討してみてください。
ただし、すべてのゲームが完全対応しているわけではないため、不安定な場合は無理に使用せずOFFにするのがおすすめです。

コメント