はじめに
PS Vitaでこれまで問題なく動作していたPS1ゲームが、ある日突然「エラー 80010005」のメッセージを出して起動しなくなることがあります。
特にAdrenalineを利用している場合、この症状は仮想メモリーカード(VMPファイル)の破損または不整合が原因であるケースが多いようです。
私の環境でも同様の問題が発生し、解決まで少し時間を要したため、手順を備忘録としてまとめておきます。
解決方法
- 仮想メモリーカード(VMPファイル)の場所を確認
まずは、問題のファイルを探すために VitaShell を起動します。
以下のパスに移動してください:ux0:pspemu/PSP/SAVEDATA/<PS1ゲームID>/
この中にあるSCEVMC0.VMP
… メモリーカードスロット1SCEVMC1.VMP
… メモリーカードスロット2
というファイルが、PS1の仮想メモリーカードです。
💡 PS1ゲームIDは「SLPS」や「SCPS」などで始まるソフトごとの識別番号です。
対象のSCEVMC0.VMP
(SCEVMC1.VMP
) ファイルを USB接続 もしくは FTP転送 でPCにコピーします。 - VMPファイルを変換ツールで修復
続いて、以下のWebツールを使用してファイルを修復します。
🔗 PS1 Save Converter(外部サイト)
このツールで以下の手順を行います:
①VMP
ファイルを MCR形式 に変換する
②変換したMCR
ファイルを 再度VMP形式 に戻す
変換することで、内部の破損したヘッダー情報が再生成され、ファイルが正常な構造に修復されます。 - 修復後のファイルを上書き
最後に、変換後の新しいSCEVMC0.VMP
(SCEVMC1.VMP
) をVitaに戻します。ux0:pspemu/PSP/SAVEDATA/<PS1ゲームID>/
上記のフォルダに上書き保存してください。
Adrenalineを起動してPS1ゲームを再び実行すると、セーブデータを保持したまま正常に起動できるようになります。
おわりに
「エラー80010005」は、Adrenaline環境では比較的よく見られる不具合のひとつです。
上記の方法でVMPファイルを変換し直すことで、ほとんどの場合は解消できます。
なお、筆者の環境では、PS1タイトルを起動したまま別のVita/PSPアプリを起動した際に、このエラーが発生する傾向がありました。
VMPファイルのバイナリを確認すると、セーブデータ本体は無事でも、ヘッダー情報のみが書き換えられている状態でした。
再発防止のためにも、Adrenaline利用中はアプリの強制終了や切り替えを避けるのが安全です。
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