はじめに
Google AdSense(アドセンス)を利用していると、支払管理画面で「シンガポール向けの税務情報」の提出を求められることがあります。この手続きを適切に行わないと、収益に対して日本とシンガポールの両国で課税(二重課税)されるリスクがあります。
提出の際に必要となるのが、税務署が発行する「居住者証明書」です。
本記事では、日本の電子申告システム「e-Tax」を利用して、自宅からオンラインで居住者証明書の交付請求を行う手順を、ITや税務に詳しくない方でも迷わないよう図解を交えて解説します。
居住者証明書とは?
居住者証明書とは、対象となる方が「日本の税務上の居住者であることを税務署が証明する書類」です。
主に以下の目的で使用されます。
- 二重課税の防止: 日本で納税していることを証明し、海外での課税を免除・軽減する(租税条約の適用)。
- 居住地の証明: AdSenseなどの海外サービスにおいて、適切な税率を適用するためのエビデンス。
シンガポールに拠点を置くGoogle Asia Pacific Pte. Ltd.から収益を受け取る際、この証明書を提出することで、正しい税務処理が行われるようになります。
事前準備:手続きに必要なもの
e-Taxで手続きを行う前に、以下のものが揃っているか確認しましょう。
- マイナンバーカード
- スマートフォン(マイナポータルアプリをインストール済みのもの)
- PCから操作する場合も、マイナンバーカードの読み取りにスマートフォンを使用します。
- PDF編集ソフト(または印刷して記入したものをスキャンできる環境)
- 交付請求書に必要事項を記入するために使用します。
ステップ1:居住者証明書交付請求書の入手
まずは提出するための書類(PDF)を準備します。
- 国税庁のe-Taxサイト(各種申請・届出)にアクセスします。
- キーワード検索欄に「居住者証明書」と入力して検索します。
- 検索結果に2種類の様式が表示されます。
- 1つ目: 租税条約等締結国用(★こちらを使用)
- 2つ目: その他用
- シンガポールは日本との租税条約締結国ですので、1つ目の「租税条約等締結国用様式」をダウンロードしてください。

ステップ2:交付請求書の記入方法
ダウンロードしたPDFに、以下の内容を入力(または記入)します。
| 項目 | 内容 |
| ◯◯税務署長 殿 | お住まいの地域を管轄する税務署名を記入します。 |
| 請求日 | 書類を作成・提出する日付を記入します。 |
| 住所(納税地) | 日本語と英語の両方で記入します。 |
| 氏名 | 日本語と英語の両方で記入します。 |
| 電話番号 | 日中連絡が取れる番号を記入します。 |
| 提出先の国名 | 「シンガポール共和国 Republic of Singapore」と記入します。 |
| 証明書の請求枚数 | 通常は「1枚」で問題ありません。 |
※英語表記の住所は「建物の名称 部屋番号, 番地, 町村, 市区, 都道府県, Japan」の順で記載します。
ステップ3:e-Taxによる提出手順
書類の準備ができたら、e-Taxから送信します。
- e-Tax(Web版)へアクセスし、マイナポータル経由でログインします。

- 「申請・納付手続きを行う」をクリックします。

- メニューから「申告・申請・納税」を選択し、「新規作成」の「操作に進む」をクリックします。

- 一番下の項目にある「イメージデータで送信可能な手続」を選択します。

- 基本情報の入力(氏名等)を確認し、「次へ」をクリックします。
- 手続名称の検索画面で、「居住者証明」と入力して検索します。

- 「HCR0310 納税証明書関係 居住者証明書」を選択します。

- 提出先税務署を選択します(住所から自動判別されます)。
- 「ファイルを選択」をクリックし、ステップ2で作成したPDFファイルをアップロードします。
- 添付書類名称: 「居住者証明書交付請求書」等、分かりやすい名前で構いません。
- 最後に「送信する」をクリックして完了です。
申請後の流れ
申請が受理された後の流れは以下の通りです。
- 発行までの期間: おおよそ数日から1週間程度です。
- 受け取り方法: e-Taxでの申請であっても、証明書自体は「書面(紙)」で税務署から自宅へ郵送されます。
- AdSenseへのアップロード: 届いた証明書をスキャナーやスマホのカメラでPDF化し、Google AdSenseの管理画面からアップロードしてください。
おわりに
今回は、AdSenseのシンガポール向け税務対応に欠かせない「居住者証明書」を、e-Taxで取得する方法を解説しました。
一見するとハードルが高そうに感じますが、実際の手順は「書類を書いてネットで送る」だけと非常にシンプルです。一度覚えてしまえば、有効期限が切れた後の再請求もスムーズに行えます。
収益を正しく受け取るための大切なステップですので、この記事を参考にぜひ早めに済ませておきましょう。

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